はめ合い公差
Before

当社では、厳しい寸法精度が求められる精密部品や大型ロール構造体の「はめ合い(嵌合)不良」を防止するため、事前図面検証と厳格な膜厚管理を組み合わせた技術提案を行いました。
ノックピンを挿入する穴部や、パイプ構造体の端部に部材をはめ込んで溶接する大型ロールなどは、わずかな寸法公差の狂いも許されない過酷な精度管理が求められる部品です。しかし、お客様からいただく図面にはメッキ膜厚の指定が明記されていないケースや、指示通り施工すると寸法が太くなり組み立て不能になるケースが散見されていました。十分な打ち合わせを行わずにメッキ処理を施してしまうと、組み立て時にガタつきによる傾きが発生したり、逆にきつすぎて挿入できなくなったりするトラブルが多発し、追加工や再製作に伴う多大な損失と納期の遅れがお客様の悩みの種でした。
After

当社では、処理前に図面の寸法公差を精査し、「この公差であれば○μmの膜厚設定が最適である」という事前提案を顧客や加工業者へ能動的に実施いたしました。
さらに、メッキ工程においては事前に複数のテストピースを投入し、析出速度の補正を掛けながら質量換算による途中測定と最終確認を徹底いたしました。これにより、狙い通りの膜厚を高精度に形成し、はめ合い公差を寸分違わずクリアすることに成功いたしました。
施工前の事前検証や工程内での厳格な補正・測定作業は手間に見えるかもしれませんが、寸法公差がシビアな嵌合部品においてこの膜厚管理を徹底することは、組み付け不具合や手戻りリスクを未然に回避し、製品の信頼性向上と全体コスト削減に大きく貢献いたします。